医院開業コラム 2026.03.13 NEW

【開業事例】還暦からの新規開業を実現、融資・事業計画を専門家と進めるという選択【さわき眼科・形成クリニック】

開業準備の不安は、設計施工だけではありません。特に年齢を重ねてからの新規開業では、返済期間や投資判断がよりシビアになります。

「さわき眼科・形成クリニック」は、眼瞼(がんけん)形成に特化した診療体制を軸に、立地選定や空間づくり、融資・事業計画の整理も含めて準備を進めていきました。

この記事では院長の言葉をもとに、「何を譲らず、何を外部パートナーに任せたのか」という視点で、還暦からの新規開業を実現させたプロセスをまとめます。

  • クリニック名:さわき眼科・形成クリニック
  • 院長:澤木 渉
  • 所在地:北海道旭川市宮下通9丁目2-17 ツルハビル2階
  • ホームページhttps://www.sawakigankakeisei.com/ 

還暦からクリニックを新規開業した理由

ー新規開業を考え始めたのは、どんなタイミングでしたか?

還暦を迎えた頃からですね。若い頃は正直、新規開業なんてまったく考えていませんでした。でも年齢を重ねると、嫌でも現実を考えます。

雇われのままでいいのか、医者としてこの先どうするのか。そこを具体的に考えるようになりました。

ー年齢を重ねてからの開業で、特に意識した点はどこでしたか?

年齢の問題は現実としてあります。投資する側から見ると、どうしても返済の猶予期間は短くなる。だから条件は厳しくなりやすいです。

勢いで踏み込むのではなく、事業として成立させるために、最初から「どう回して返していくか」まで含めて考える必要がありました。

融資・事業計画を先に整理しないと、開業は前に進まない

ー開業準備で最初に取り組んだ点は何でしたか?

まずは事業計画です。どのくらいの投資が必要で、どのサイクルで返済していくのか。ここが曖昧だと、設計も設備も判断できません。
年齢を重ねてからの開業だと、なおさらこの部分が大事になります。だから最初から、融資も含めて現実的に整理していきました。

ーひとりで抱えるのが難しいと感じたのはどんなところでしたか?

資金、借入、スケジュール、運用など決めることが多すぎるところです。クリニック開業って、設計や施工だけじゃないんですよね。
医師の仕事をしながら開業準備を進めることになるので、全部をひとりで抱えると止まってしまいます。だから、整理してくれる人や伴走してくれる人がいるかどうかで準備にかかる時間が変わると思います。

なぜ眼瞼形成に特化する開業を選んだのか

ー眼瞼形成に特化しようと思った理由は何でしたか?

眼瞼形成は、眼科の中でもまだ広がり切っていない分野で、やっているクリニックは多くありません。だから必要としている人が迷うんです。前の勤務先でも、「どこに行けばいいか分からない」という患者さんの声をよく聞いてきました。

白内障などと絡めて片手間でやるのではなく、眼瞼形成に軸を置いたら必要としている方にきちんと応えられると考えました。

ー患者さんが辿り着くまでに、どんな迷いがあると感じていましたか?

患者さんが美容系や形成外科に行った場合、「眼瞼形成はここではできない」と言われてしまうこともあります。そこから迷って、時間がかかってしまいます。
また、たまたま眼科経由で「このクリニックでできるらしい」と聞いて来るケースもあります。そういった行き場のなさは、現場にいると見えてくるんです。

クリニックの立地は患者さんの迷いを消すことを優先した

ー旭川駅直結の立地にこだわった理由は何でしたか?

勤務医時代に、「駅までは来られるけど、そこからクリニックまでどう行けばいいんですか」という電話が本当に多かったんです。説明だけで5分、10分かかることもある。
患者さんは体がつらい中で来院しますので、迷う要素があるだけで負担になってしまう。この経験もあり「開業するなら迷わない場所にする」と最初から決めていました。

ー道北エリアなど遠方からの来院も想定していたのでしょうか?

もちろんです。旭川だけではなく、周辺から来る方もいます。駅直結でバスも集まるなどアクセスのハブであることが大きいです。
ただ、目の手術は翌日のチェックが必要になることもあります。遠方の方だと日帰りが難しいケースもあるので、必要に応じて駅直結のホテルへの宿泊をご案内しています。

空間づくりは「入りやすさ」と「自分の色」を両立させた

ー設計や内装で、最初から譲れないと考えていたことは何でしたか?

設計やデザインには、絶対にこだわりたいと思っていました。自分のクリニックとして、自分の色を出したかったからです。 

従来のクリニックのイメージって、暗いとか、入った瞬間に気持ちがキュッとなるような雰囲気がある。

それを変えるためにできるだけ明るく、天井も高くして、入りやすい空間を意識しました。

ー具体的にどのようにイメージを伝えていったのでしょうか?

パルテクノの設計士さんに、「スターバックスのような、明るく開放的なイメージにしたい」と伝えました。 そうしたら、すでに設計された施設の事例や写真をいくつか提示してくれたんです。

それを見ながら「この光の入り方がいい」「こういうイメージだ」とすり合わせることで、抽象的だった私の理想のデザインが、具体的な設計図になっていきました。

ークリニックには珍しい赤色を使っていますよね。色選びにこだわった理由は何でしたか?

色は、クリニックの印象になります。印象は積み上がって信頼にもつながるものです。 私は「ニコン(Nikon)」の赤と黒のカラーリングが好きで、自分のアイデンティティとして取り入れたかった。

医療の空間づくりでは無難な白やベージュにまとめがちですが、設計士さんは私のこだわりを受け止めたうえで、壁の色なども含めてしっくりくる提案をしてくれました。結果的に、赤を使っても違和感のない空間になったと思います。

ー待合や回復スペースなど、運用面で意識した点はありましたか?

患者さんが待合でどう過ごすか、術前術後をどう過ごすかは、体験として大事です。

当たり前に置くものをそのまま置くのではなく、本当に必要かを考えました。少し区切りをつけて落ち着けるようにする、術後に休める場所は、カーテンなどで調整できるようにするなどの細かい運用面も、ディスカッションしながら設計できたのは良かったと思っています。

私のやりたいことを、プロの視点で「使い勝手の良いデザイン」に整えてもらった感覚ですね。

パルテクノは設計だけでなく事業計画や融資面を含めたパートナー

ー設計・施工のパートナーとして、パルテクノに相談しようと思ったきっかけは何でしたか?

きっかけは、医療機器業者さんの紹介です。開業を考え始めた頃に相談していた方がいて、その方が間に入ってつないでくれました。
開業は論点が多いので、最初から関係者が同じテーブルにつける体制を作れたのは大きかったと思います。

ー一緒に進める中で、印象に残っていることはありましたか?

開業までに決めることが多い中で、こちらの「こうしたい」を言葉にして整理して、提案として返してくれる。これが大きかったです。
迷いが減ると判断が早くなり、判断が早くなると準備が進む。結局、新規開業の現場ではその判断の早さが一番重要だったと感じています。

ー設計だけでなく、事業計画や融資面まで相談できた価値はありましたか?

あります。年齢の要素もあって、投資判断や返済の考え方はシビアになるので、そこを含めて整理してくれるパートナーがいないと前に進められなかったでしょう。
設計だけではなく、資金計画や金融機関とのやり取りも含めて相談できるパートナーがいると、準備が止まりにくくなると感じました。

患者さんに向き合うためにカウンセリングに時間を使う

ー診療で大切にしていることは何でしたか?

対話です。時間を取って説明しています。特にご高齢の方とのカウンセリングには、ご家族にも同席していただくことがあります。

こちらが結論だけを言ってしまうと、患者さんがここに辿り着くまでの思いが伝わらない。

だからまず言葉にして話してもらう。その上で、どこまでできるか、どう進めるかを一緒に整理します。

ーそれが患者さんの安心感につながっていると感じる場面はありますか?

患者さんの悩みは医学的な症状だけじゃなく、生活そのものにも関わっています。

そこを言語化してもらうと、こちらも何を優先して説明すべきかがはっきりします。

結果として納得感が上がるし、術後の経過の捉え方も揃いやすくなると感じています。

これからクリニック開業を考えるドクターへ

ークリニック開業を検討しているドクターに伝えたいことは何ですか?

クリニック開業のハードルは高いです。踏み込めるかどうかは、「何を捨てるか」だと思います。守るものだけを考えていると何も動きません。
また、全部を自分ひとりで抱えないことです。資金計画、借入、設計、施工、運用と決めることが多いからこそ、信頼できるパートナーを持って、意見交換しながら進めるのが現実的です。

【担当者からのコメント】

開業をお考えの先生との打合せでは「先生の想いを形にすること」を意識しています。

澤木先生からは「赤・黒・黄」「カフェのような空間」などの断片的なヒントをいただき、それらを繋いでまとまりのある空間をご提案することを繰り返していきました。

打合せを重ねるごとにイメージが共有でき、最終的に機能性と個性を兼ね備えたこだわりの空間となったと思います。先生の理想の医療へのお手伝いが少しでもできていれば幸いです。

 

当社では、企画から施工、アフターケアまで自社で一貫したサポートを提供しております。医療施設、福祉施設、クリニック、調剤薬局の設計・施工をご検討中の方はぜひ当社までご相談ください。

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